FK-mapは、呈示視標距離・調節反応量・毛様体筋の緊張状態を 一つの画面で可視化した調節機能解析表示です。
横軸は呈示視標距離を示しています。オートレフラクトメータで測定した 屈折値を無限遠(0D)として、 左から以下の順に視標が呈示されます。
+0.5D(雲霧視標)、無限遠(0D)、-0.5D、-1.0D、-1.5D、-2.0D、-2.5D、-3.0D
最も近い視標距離は33.3cmで、日常の近業作業を想定した設定となっています。
調節の過渡応答(ピント合わせの初期変動)の影響を除くため、 各視標呈示開始から1秒後以降のデータを解析対象としています。
縦軸は実際に生じている調節反応量を示し、単位はジオプトリ(D)です。
1つの視標に対して、1秒間隔で11本のカラムが表示されます。 これにより、単なる瞬間的な調節反応ではなく、 調節を安定して維持できているかを観察できます。
各カラムの色は、調節微動の高周波成分(HFC)を示しています。
FK-mapは「どの距離までピントが合わせられるかだけでなく、
どの距離を無理して見ているかを
直感的に理解するための表示です。
【正常なFk-map】
調節Fk-mapの説明
横軸に視標位置、縦軸に調節反応量、そして縦軸の色は調節微動高周波成分の出現頻度(毛様体筋の緊張程度)を示す3次元グラフで構成される。同一視標位置に立てた11本のカラムは測定時間を11等分した時間推移を示すので、実質的には4次元グラフである。正常眼では、無限遠ないし中間距離の範囲では毛様体筋にはほとんどストレスが加わっておらず、視標が近方に提示されたときに縦軸バーが黄色〜赤色を呈し、毛様体筋にわずかなストレスが加わる。調節が正常であれば、眼精疲労の原因は調節以外にあると考えられる。
【調節緊張症】
急に視力が低下した人に多い。無限遠を見たときにも毛様体筋が緊張しており、仮性近視の状態を呈している。治療することによって、正常な調節機能に回復し、裸眼視力が向上する人が多い。急いで眼鏡を作らない方がよい。
調節緊張症は眼精疲労の原因になりうる。
【調節けいれん】
急激な視力低下が生じ、時に眼の奥の痛みや頭痛、めまいなどを伴う。 見えたり見えなかったりと、視力の変動が激しい。見ようとする視標の距離に関係なく、毛様体筋が強いけいれん状態にある。治療することによって、調節機能は正常に回復し、裸眼視力は安定し、眼の奥の痛みや頭痛などの症状は消退する。
調節けいれんがある場合には眼精疲労の症状は強い。
【テクノストレス(IT)眼症】
VDT(video display terminal)作業者など、近業の多い人に発症することがある。遠くを見ているときには、何ら自覚症状は無いが、近くを見ようとすると、毛様体筋に強い緊張が生じ、頭痛・めまい・嘔気といった症状が出現し、作業の持続が困難になる。適切な治療と作業用眼鏡を用いることによって、治癒する。眼精疲労のためにVDT作業などの近方作業が困難なことがある。
【調節パニック(仮称)】
外傷性頸部症候群(バレリュー症候群)に発症することが多い。近くを見ようとすると 頭痛、項部痛、めまい、嘔気などが出現し、近業や読書ができないなどの訴えがある。むち打ち症などの頸椎損傷によって、頚部交感神経が損傷し、自律神経が司るピント合わせの機構が正しく機能しなくなった状態。視標が近づき、ピントを合わせようとすると、意に反してピントが遠くに合ってしまい、パニック状態に陥っている。適切な治療を行えば、調節機能は正常に回復し、多くの不定愁訴は消退する。長期間経過しても自然治癒することは稀と思われる。著しい眼精疲労症状があり、慢性疲労症候群を呈することもある。
【正常な老視】
30歳代後半から40歳代前半で、近くを見るときに少し離してみるようになった人に多い。毛様体筋にストレスは加わっていないが、ピントは近くには合わない。累進屈折力レンズ眼鏡や遠近両用コンタクトレンズの装用が望ましい。手元にピントが合わないが、眼精疲労は生じない。
【老視の調節緊張症】
40歳を過ぎて眼の疲れや、まぶしさを訴える人に多い。どの距離を見るときにも毛様体筋にストレスが加わっているが、ピントは近くには合わない。調節緊張を減じるための点眼液と近くを見るときの調節負荷を減じるために累進屈折力レンズ眼鏡や遠近両用コンタクトレンズの装用が奏効する。
裸眼視力が良好な高齢者の眼精疲労に多い。